ロケは喫茶店のオープンテラスからスタートし、海岸沿いではしゃぐ姿を撮影。
所詮、素人モデルな淳ちゃん。撮影やシチュエーションに戸惑う度に、
「笑顔~笑顔~。そそっ、視線は雑誌のむこうの彼氏にねー」
というのがカメラマンさんの口癖だった。
そして、いよいよ撮影は後半に。場所は貸しスタジオの個室の中に移動。
そこは青年男子の一人部屋のセット。ベッドに机に、学生部屋の最低限の設備。
部屋の中にはカメラマンさんと淳ちゃん、スタイリストの愛佳さん、そして
…ご相伴にと、部屋全体を見渡せるマジックミラーの後ろの僕。
どういうことか、ティッシュペーパーとくずかごのサービス付き。
どうしてこういう仕掛けがあるのかについては、色々と怪しかったけど、
正直なところ、もうどうでもいい。
先回りして鏡の後ろに隠れてるんだけど、実はもう動悸がおさまんない。
淳ちゃんは前半の撮影で使った制服姿のままだった。部屋という閉鎖された
空間の中、午前とは違い、少し緊張しているようだった。
カメラマンさんの声で、撮影再開。



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