2009年9月16日水曜日

家出少女半年前

私は38歳の主婦です。
半年前に交通事故で、夫と中学1年生の一人息子を
同時に失いました。
その時の落胆といったら、言葉ではとうてい言い表すことはできません。
それが元で、数ヶ月間寝こんでしまいました。
いまでも、時々、夫と息子のことを思い、ボーっと一日を過ごす
ことがあります。

生前、息子には同級生の、あっ君という、ちょっとかわいい、内気な
感じの男の子がいて、家に良く遊びに来ていました。
しかし、息子が亡くなってからは、遊びに来なくなっていた
のですが、今から2ヶ月位前にひょっこり家に現れたのです。

そこで、男の子に
「知っていると思うけど息子は亡くなったので、もう遊べないのよ」
と言いますと「知っています」と言ってもじもじしているの。
「どうしたの」と聞きますと「ゲームがしたいの」と言ったのです。
そうなんです。息子には、せがまれるまま、たくさんのコンピュータ
ケームソフトを買ってあげました。
そのソフトで二人がよく遊んでいたのを思い出しました。
息子の部屋はそのままにしてありますので、ゲーム機や大量のソフトも
そのままにしてあるんです。

この男の子の家は近所なんですが、父子家庭で、お母さんは、その子が
小さい時、家を出たことを、うわさに聞いたことがありました。
そして、この男の子が以前、家に来たとき、「お父さんが、ゲーム機
を買ってくれない」ということを言っていましたので、
かわいそうになって、「息子の部屋でゲームしてもいいわよ」と、
男の子を家に招きいれたのでした。

それからというもの、この男の子は学校が終わると、毎日の様に
家に来る様になり、夕方まで、ゲームをしていました。
自分の家に居ても、夜にならなければ、父親は帰って来ないので
つまらなかったのだろうと思います。
また、私にしても、死んだ息子が部屋にいる様な気がして、男の子を
暖かく迎えたのでした。

ある日のこと、男の子に、冗談に「ボク、おばさんのこと、好き?」
と聞いてみました。すると、「はい、大好きです」とうれしいことをいいます。
「どんなところが好き?」と私。
「やさしくて、きれいだから」と男の子はいいます。
「そうなの、おばさんもうれしいわ。ねぇ、ボク、うちの子にならない?」
と冗談で言うと、「えっ、ほんと、おばさんの子になる」と言います。
「そう、それなら、今からうちの子ね、うちの子なら、私をお母さん
と呼んでね」と私。すると、「僕、おばさんみたいなお母さんが
ほしかったの」と抱き着いてきたのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿